劇伴レビュー【第1話】いつもの風景の終わりと激烈で華麗なる日々の始まりを告げる鐘の音(子記 @3KmuiscS )

サウンドトラック発売をお願いする涼宮ハルヒファンのプロジェクトの活動報告
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

どうも皆さま、本企画の立ち上げ・進行を行っている子記@3KmusicS)と申します。

「ハルヒサントラ発売に向けて盛り上げていこう!」ということで、いろいろな方々に、話数ごとのレビューを書いていただこうと思っています。「自分も書きたい!」とご参加いただける方は是非ともお声がけいただけますと有難いです。


言い出しっぺということもあり、僭越ながらもTVアニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」の記念すべき第1話のレビューを書かせていただきます。

  • 「涼宮ハルヒの憂鬱Ⅰ」について
  • 2006年放送当時、「ハルヒ」のアニメは時系列が入れ替えられて放送されたため、厳密にはこの「憂鬱Ⅰ」が第1話というわけではない。この話数は時系列通り放送された2009年版では第1話として放送されたが、2006年版では第2話として放送された。

    だが、2006年版放送第1話である「朝比奈ミクルの冒険 Episode:00」がほぼまるまる劇中映画の上映という特殊な回であったこともあり、実質的には放送第2話であったこの話数で初めて流れる劇伴(「げきばん」と読む。BGM、サウンドトラックとも呼ばれる)が多い。

    そのため、劇伴使用シーンと曲のタイトルが比較的一致しているものが多く、曲名だけでも第1話の内容を振り返ることが出来る話数となっている。リスト参照


    それでは、その第1話についてご紹介しよう(レビューじゃないのか!?


  • 過ぎ去りし「いつもの風景」
  • 01-001.jpg
    ©2006谷川流・いとうのいぢ/SOS団


    「サンタクロースをいつまで信じていたかなんてことは――」


    という、主人公キョン(CV:杉田智和)による語りで始まるこのシーンはこの作品を観た人なら誰の記憶にでも残っている印象的なシーンだろう。僕自身、誰でも一度は考えたことはあるようなこのキャッチーな話題で始まる冒頭の語りに一気に引き込まれた。


    この冒頭で使用されている劇伴は「ハルヒ」という作品のメインテーマと呼んでもいい「いつもの風景」という曲だ。2010年に公開された映画「涼宮ハルヒの消失」でもTVシリーズから唯一この曲のアレンジが使用されている。「ハルヒ」のアニメを観たことがある方なら、少なくともこの曲は印象に残っているだろう。残ってない人は残るまで居残りです。


    この曲は作曲者の神前 暁(「こうさき さとる」と読む。本名である)氏が四分音符主体のメロディを有するこの曲について「A&M+モータウン+The Beatlesのテイスト」と述べている(DVD『涼宮ハルヒの憂鬱5.142857(第2巻)』限定版特典映像にて)ように、60~70年代の洋楽ポップスのテイストが強い。

    具体的にはカーペンターズ(というよりバート・バカラック)の「Close to you」(遥かなる影)やThe Beatlesの「Penny Lane」、スプリームズあたりの影響が濃いのではないかと思われる。また、これは90年代になるがジェリーフィッシュ「Sebrina, Paste, and Plato」といった曲もサウンドやメロディに影響しているように思われる。

    チェンバロ(ハープシコード)や神前(「こうさき」と読む。間違いなく本名である)氏お得意のブラスが明るくもどこか物憂げな印象を与えてくれる。(なお、こうした系統の楽曲は「ハルヒ」の劇伴に多く登場する)


    そして、この曲のコード進行はみんな大好きカノン進行である。

    カノン進行はかの有名な「パッヘルベルのカノン」で用いられているコード進行で、明るくも切ない響きを持つこの進行は数多くのヒット曲で使用されており、一部の世間では「カノン信仰」とまで呼ばれている(どこの世間だ、それは)。あなたの好きな曲の中にも絶対一つはあるはずだ。ない人は環境音でも聴いててください。

    そのように、サウンドのテイストやコード進行の面からもこの曲は聞く者にある種の安心感と郷愁を感じさせてくれる。


    作品のメインターゲット層としては(当時の)中高生ということにはなるのだろうが、それより上の「卒業した」世代にとっても「誰もが子供の頃に憧れた世界」への思いを俯瞰だ視点で語るキョンのモノローグのバックにこんなノスタルジックな曲を流されたらハートをブチコロ……じゃなくてイチコロだ。中高生を過ぎてからこの作品にハマってしまうと新生活メランコリオンな気分になってしまうので注意すべきだ。ソースは僕。


    このわずか1分半の間に視聴者はこの世界に引き込まれ、感情を移入する。子供から少しだけ大人になった高校の頃の自分自身へと心の時計が巻き戻っていく。



    そして、我々は涼宮ハルヒと出会う。


  • 色褪せた日常の終わりと物語の始まり
  • 01-002.jpg
    ©2006谷川流・いとうのいぢ/SOS団


    「東中出身、涼宮ハルヒ」


    「ただの人間には興味ありません」


    「この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい。以上!」



    ここで僕らはこう思うだろう。


    「この子可愛いな……」


    と。


    このシーン(正確には上記の台詞の直後)で流れる曲は「激烈で華麗なる日々」という曲だ。なお、「ハルヒ」の劇伴曲命名は全て音楽プロデューサーのランティス斎藤 滋(さいとう しげる)氏によるものだ。斎藤氏による曲名は作品の世界観を踏襲しつつ遊び心もあり秀逸なものが多い。


    この曲は曲中でひたすら繰り返される4小節のピアノベースのリフが非常に印象的だ。おそらく神前(「こうさき」と読む。疑いなく本名)氏自身の歌声による「パッパッパッ」という歌メロも合わせ、強拍の強調とシンコペーションが目まぐるしく 繰り返されるこの曲は激しく慌ただしい日々が訪れる予感を与えてくれる。

    ちなみに、「シンコペーション」というのは音楽用語で、本来想定される拍よりも前に拍が置かれることだ。例えば、SOS団が待ち合わせをするとキョンはほぼいつもハルヒより後に来て罰金を払うことになるだろう? そういうことだ(何が「そういうこと」なんだ


    この何かが変わりそうな曲が終わった直後、「冒険でしょでしょ?」(編曲:藤田淳平 作曲:冨田暁子 作詞:畑 亜貴)イントロのウィンドチャイムと鐘の音が鳴り響き、かつての自分が遠くの星に願った物語のオープニングを告げるのである。

    01-003.jpg
    ©2006谷川流・いとうのいぢ/SOS団

  • おわりに
  • きっとあなたはこう思うだろう。


    「冒頭2分半分しか語ってないぞこいつ……!」


    と。


    ちょっと待ってほしい、いや、自分でも書いてて「やばいな」とは思ったのだが、このペースで書いてると超長文になりそうなので今回はひとまずこれでお開きにさせていただきたい。お腹が鳴くから帰ろう。

    「名曲はイントロの時点で名曲」なんて言われることもあるが、「ハルヒ」はこのアバンの時点でもう既に僕には抗いようのない魅力が詰まっていたのだ。そう、出来れば僕も「サビ」についても語りたい。なぜなら僕は髪を切った後のハルヒのほうが好きだから! だが、この「イントロ」あってこその「サビ」なのだ……ありがとう。


    とりあえず、この記事を読んだ人が「ハルヒ」の劇伴と神前(←はい、なんて読むでしょう!)氏の名前を心に刻んでくれたらこれすなわち幸いである。アスタルエゴ!



■著者紹介

子記(@3KmusicS)と申します。自分が深夜アニメを観たり、その音楽を聴くようになったきっかけである「ハルヒ」の劇伴を是非とも形にしたいと思い、こんなことをやっております。同時に「ハルヒ」という作品やその音楽についても語り継がれていけるように貢献出来たらと思っています。

■ハルヒシリーズで好きな劇伴曲

「ハルヒの想い」
「ある雨の日」
「短冊の向こうに」
3曲選ぶとしたらメロディが切ないこの曲たち

スポンサーサイト
この記事へのコメント
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 

 | Copyright © SOSプロジェクト活動報告 All rights reserved. | 

 / Template by 無料ブログ テンプレート カスタマイズ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。